はんだ付けをせずに入門できる自作キーボード(2021/02時点)

最近では、PCBA と呼ばれる PCB に必要な部品がすでに実装されているキットが増えてきており、はんだ付けをせずに作成のできる自作キーボードも増えてきた。 そこで、今回は 2021/02 時点で国内通販のみで購入できるキットを紹介したいと思う。

今回紹介するキットは以下の 4 つである。

選定にあたって、キーボードショップとして通販しているサイトのみを対象としており、BOOTH で販売しているものは除外している。 なので、他にも存在しているかもしれないというのを先にエクスキューズしておく。 また今回の紹介からは外したが、遊舎工房Kochi Keyboard では、それぞれの店舗で販売しているキットに関して、別途工賃を支払うと組み立てを行ってくれるサービスがある。こちらを利用するのもよいだろう。

KBD67 Lite mechanical keyboard diy kit

最初に紹介するのは、最初に紹介するのは 65% キーボードの KBD67 Lite のキットである。 こちらは老舗のキーボードショップである KBDFANSKBD67V2 の簡易版として企画された商品である。

この商品の良さやでてきた背景などを説明するには、昨今のカスタムキーボードブームというコンテキストを紹介する必要があるのだが、それは割愛する。

さて、KBD67V2 の簡易版と紹介したが、その内容は充実しているものである。ケースはプラスチックだがケース内の響きを押さえる工夫がされていたり、 2u 以上のキーに必要なスタビライザーがあらかじめ同梱されていたり、キャリングケースがついていたりと盛りだくさんである。

こちらは、現在予約注文中となっており、すぐ届くわけではない。しかし、KBDFANS で行われてた GB のぶんがそろそろ発送されるという噂もあるので、そろそろ入手できる可能性がある。

DZ60 RGB V2

こちらは PCB だけの販売となっており、別途ケースを購入する必要があるものとなる。こちらの PCB にあうケースについては、様々なケースが存在しているが個人的には TOFU をおすすめしたい。

また、こちらについてはスタビライザーは付属してこないので、自分で用意する必要がある。 必要なスタビライザーは、6.25u のものが 1 つと、2u のものが 3 つとなる。現時点であれば、この OA Stabilizers か、TALP Keyboard で購入できる Durock 製のスタビライザーをおすすめする。

こちらの PCB は、名前に RGB とついているとおり、すごく光る。あと、配列が十字キーをサポートするために、ちょっと特殊になっており、スラッシュキーが存在しない。正確には、右シフトキーをタップするとスラッシュ、長押しするとシフトキーとして動作するようになっている。

この DZ60 については、最近サリチル酸さんが詳しいブログを書かれているので一読されたい。

salicylic-acid3.hatenablog.com

Keyboardio Atreus DIY kit

こちらは、Keyboardio という海外のキーボードメーカーがだしている、Atreus というキーボードになる。 海外のショップでは、キースイッチとキーキャップがついている状態でも販売されているが、日本国内の通販という縛りだと本体のみとなる。

昨年から rebuild.fm の宮川さんが使用されていて、ポッドキャストを聞かれている人には、聞いたことがあるキーボードかもしれない。

MiniAxe

MiniAxe はキー数が必要最低限に抑えられた非常にコンパクトな分割キーボードである。元々、Pro Micoro 相当の部品を自身ではんだ付けしないといけない作成難易度も高めのキットだったのだが、昨年 10 月からはんだ済み版が発売されたようだ。これが PCBA で作成されたものか、スタッフの方がはんだ付けされているのかはわからないが、はんだ付け版として別途購入することができるので紹介することにした。

キット以外に必要なものに関して

これらのキット以外にキースイッチとキーキャップを購入する必要がある。

まずキースイッチについてだが、どれがいいとかの紹介をすると長くなるだろうから手短に紹介する。 最低限以下のことを抑えて選んでもらえるとよいと思う。

  1. 必要なキー数を販売ページで調べ、何度も確認し、少し多めに買う
  2. CherryMX 互換と書かれているものを選ぶ
  3. スイッチの紹介に 5pin や PCB マウント対応と書かれているものを買う

1 つ目のものは購入して、いざ組み立てるときにスイッチが足りないということにならないようにするための注意である。そんなことはないだろうと思うだろうが、最近でも私はスイッチの個数間違えをやらかしていたりする。 2 つ目に関して、今回は詳しく説明しないがキースイッチには形状が違うものが何種類か存在している。今回紹介しているキットに関していうと全て CherryMX 互換というスイッチにしか対応していないため、気をつけてほしい。 3 つ目だが、これはスイッチの固定方式に関わる注意である。今回紹介しているもので、DZ60 RGB V2 以外はプレートにスイッチを固定するものなのであまり気をつけなくてもいいが、DZ60 RGB V2 だとそのままでは PCB に直接キースイッチをつけることになることになるため、これらの仕様のものを買うのが望ましい。なお、DZ60 RGB V2 も別途プレートを購入すればプレートにスイッチを固定することができる。

また、スイッチのおすすめについてだが、メカニカルキーボードを初めて使うという人には、個人的にはリニアスイッチをいうものをおすすめしたい。現在在庫がないが、Alpaca スイッチ、TALP Keyboard で販売されている DUROCK というメーカーのキースイッチがおすすめだ。

キーキャップについては、KBD67 Lite、DZ60 RGB V2 については、好きなキーキャップセットを購入すれば、だいたいはめることができるだろう。 Atreus と MiniAxe については、1u というキーを多用するため、適当なキーキャップセットを購入してもキーが足りなかったりするかもしれない。 そんなときにおすすめなのが、XDA や DSA と呼ばれる形状のキーキャップだ。これらは、全てのキーで同じ形状のキーキャップを使うことになり、また 1 個単位での購入も可能だからである。 一応、Atreus に関しては専用のキーキャップ があるのでこちらを買ってみてもいいかもしれない。

まとめ

駆け足になったが、今買えるはんだ付け不要のキットについて紹介してみた。これらのキーボードは当然だがキースイッチの交換が可能である。 なので、購入後に別のキースイッチを試してみたりするなど楽しむことができる。 こういった気軽に試せるものから、入門してみるのもいいと思う。