HHKB Professional HYBRID Type-S を買っていた

もうだいぶ前のころになるのだが、HHKB Professional HYBRID Type-S を購入していた。最近出先とかで文章を書くときは、いつも持ち歩いていたので、このキーボードについて書いてみようと思う。

このキーボードは、昨年 12 月に行われた HHKBユーザーミートアップvol.3 で当日発表のあった新製品を購入できるとあったので、購入した。元々イベント自体は、和田先生の講演を目的に行ったのであり、思わぬ出費だった。

長年使っていた HHKB pro2 にいれてもらった和田先生のサイン
長年使っていた HHKB pro2 にいれてもらった和田先生のサイン

購入当初、所有欲だけが満足されて、使わないのではと思っていた。 元々 HHKB 自体は、エルゴノミクスキーボードを使うようになる前は長年使っていたなじみ深いキーボードだった。しかし、使わなくなって久しい今では 60% というサイズとロースタッガード配列が手にあまり馴染まなくなっているのは事実である。

しかし使ってみた結果、そのような気持ちは払拭された。 その理由は、なんと言っても絶妙にマイナーアップグレードされたと感じる数々の箇所である。面積の広くなった底面のゴムはグリップ力が増し打鍵時のブレを減少してくれる。また、スペースバーがコンベックスになっているのもうれしい。以前使っていた HHHKB pro2 の US 配列では手前側にエッジがありスペースバーをよく叩いていると親指が痛くなったが、丸みを帯びたコンベックスになったおかげであたりが優しくなっている。 Bluetooth と Type-C による接続が可能だとか、キーマップが変更可能という大きな点よりも、こちらの方がインパクトが大きかった。

また、Bluetooth 化は思ったよりも便利で、マルチペアリングと切り替えの容易性により、複数台の PC で使い分けるときや iPad などと組み合わせて使うのも簡単である。喫茶店iPad mini とこのキーボードを持って、ブログの記事を書いてみた。iPad mini の小ささを殺しているということを除けば、普通に文章を書くことができた。分割キーボードだと、どうしても持ち運びに難があるため、ちょっと出先で作業したいというときには、私にとっては良い相棒だと感じる。

前モデルより価格が高くはなっており過去モデルが安く手にしやすさはあるだろうが、私は断然こちらの新モデルをおすすめする。 普段 HHKB を使っている人も、一度は試してもらいたいと思う出来だ。

最後に。この文章は Corne Cherry(205g0 で lube したZilent 65g, LittleKeyboards Corne Architect Keyboard Case, MASSDROP X MITO MT3 GODSPEED CUSTOM KEYCAP SET) で書かれました。

TOFU を仮組みした

先日から遊舎工房KBDfans で売られている TOFU が販売されるようになったので購入した。

TOFU , DZ60 Hotswap PCB, Everglide Oreo switch, GMK Obvilion v2 Git Base
TOFU , DZ60 Hotswap PCB, Everglide Oreo switch, GMK Obvilion v2 Git Base
昨年 Polaris の GB に参加した。 Polaris はガスケットマウントによる柔らかい打鍵感が特徴とされている。しかし、私はそもそもいわゆるカスタムキーボードを所持していないため、その違いを確認するためトレイマウントのものを入手したいという目的もあった。

さて、ここまででてきたカスタムキーボードや、ガスケットマウント、トレイマウントという言葉について何だか知りたい人は、takai さんの Learning Custom Mechanical Keyboard を一読してもらいたい。カスタムキーボードについて、それが何なのか、どうやって入手するのか、どう組み立てていくかなどの話がとてもまとまっている。

PCB は、DZ60 RGB Hotswap PCB (ANSI) を遊舎工房の店頭で購入した。とりあえず今回は、はんだ付けをせずに手軽に組み立てたいという気持ちでこの PCB を選択した。レイアウトをどうするか考えていなかったので一緒にスイッチプレートを買わなかったのだが、そもそも ANSI 配列にしか対応していないということに後から気づいた。

キースイッチはEVERGLIDE OREO MECHANICAL SWITCHES をチョイスした。チョイスしたというよりかは、購入してから手つかずで付けるキーボードを選べていなかったから使用したというのが実際だ。オレオスイッチは、T1 と呼ばれる 2019 年前半に話題となったタクタイルスイッチに似た特性をもつ。5pin のスイッチのため、プレート無しで PCB に直接マウントできるというのも選んだ理由だ。

キーキャップは、昨年の夏に行われていた GB に参加した OBLOTZKY GMK OBLIVION V2 の Git ベースキットである。これは、モデファイヤキーの文字が Git コマンドになっているというのが特徴だ。

今回の仮組みは、組むときの手順の確認や、組んだ時の確認のために行った。とりあえず組んでみて、この状態での打鍵感を確認してみたいというというもある。 はんだ付けでなくソケットによるスイッチの固定をプレート無しで行った場合、スイッチのブレなどが気になるかと思っていが気になるレベルではなかった。また、Lube を行っていなかったりフォームをいれていなかったりするので打鍵音がかなり響くと思っていたが、こちらも気になるほどではなかった。

今後は一回解体して、スイッチとスタビライザーの Lube 、ダイソーで買った EVA フォームを詰めるということを行いたいと思う。

ルービックキューブをやりだしたおはなし

昨年末からルービックキューブをやりだして、3 ヶ月ぐらいたちました。最近人に会ったときに、かなりの確率で話題にあげているので聞いたことがある人もいるかもしれません。そこで、一度文章にまとめてみたいと思います。

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なぜやりだしたのか

きっかけは、なんとなく脳に刺激をあたえるのに指先を動かしたいということでした。

仕事がプログラマなんだし、仕事中に指はよく動かすだろうと思われるでしょう。しかし、普段使っているキーボードはキー数が少なく、あまりホームポジションから手を動かさなくてコーディングができるようになっています。そのため、HHKB のような標準的な配列でキー数の多いキーボードを使うとすごく疲れます。

 ## なにをやっているのか 

メインは、 3x3x3 と呼ばれる一般的なやつをやっています。

左から2x2x2, 3x3x3, 4x4x4
左から2x2x2, 3x3x3, 4x4x4

とはいえ、やっているうちに、2x2x2 や 4x4x4 と呼ばれる 3x3x3とキューブの数が違う直方体パズルや、同じ直方体だけど回り方の違うスクエア1、正四面体のピラミンクス、正十二面体のメガミンクスなどにも手をだしました。

左からピラミンクス、メガミンクス、スクエア1
左からピラミンクス、メガミンクス、スクエア1

なお、使っているのはメガハウス からでている公式のものでは無く、スピードキューブと呼ばれる解くスピードを競う競技で使われているものになります。公式のものは荒っぽい使い方をしても壊れないように頑丈に作られていますが、キューブの回転が重く回しにくいです。一方、スピードキューブで使われるキューブは回転が軽く大変回しやすいです。価格も公式のものより安いものあれば、高いものもあります。高いといっても、世界記録保持者が使っているものと同じものが 7000 円以下で買えるので趣味のものとしては格安です。

何が面白いのか 

単純に子供の頃にできなかったことができるようになるという経験は大変よいです。 インターネットが発達した現代において、各種パズルの解法は少し調べたらわかります。Youtube などの動画での解説もあるので回し方も理解できます。

また、やっていくうちに自分の成長がわかりやすいというのもあります。まずは解法を見ながら解いていたのが、見なくても解けるようになり、そしてどんどんタイムを縮めていくと、ただ解いて終わりだけではない世界があるのが楽しいです。

そして、ハマっていくにつれ仕組みが理解できる楽しさもあります。キューブという道具の仕組みがわかるというのもありますし、こう回すとキューブがどこにどう移動するかというのをもわかるようになります。  

どれから始めればよいのか

さて、ここからはこの記事で興味を持ってくれた人向けに、始め方のような記事を書いていこうかと思います。

この記事だけでも 6 種類のパズルがでてきて、どれからやり出したらよいか迷うかもしれません。特に過去に 3x3x3 のキューブをやって解けなかった経験がある人はキューブの数が少ない 2x2x2 に興味を持つかもしません。

私は 3x3x3 のパズルから始めることをおすすめします。なぜなら、スクエア1やスキューブなどを除く直方体のパズルについては、3x3x3 の解法がベースとなっているため、一度覚えると後が楽だと思うからです。

2x2x2 は 3x3x3 の頂点のキューブのみとして解けますし、4x4x4 以上になると 3x3x3 の形になるように解いた後に、3x3x3 の解法を適用していきます。  

どこで何を買えば良いのか 

 まず、私の回答を先に載せると、Tribox 、もしくは Smartshipで、最初から投資するお金を気にしないなら GANCUBE の GAN 356 XS、お試しで安いのがよいなら QiYi の Thunderclap を買って下さい。ステッカーレスとステッカータイプの2種類がありますが、ステッカーレスのほうがシールが剥がれたりするということがないのでステッカーレスをおすすめします。 

まず購入する場所についてですが、一般的なおもちゃやなどでは販売されていないため、ネットショップで購入することになります。そうなるとまずは Amazon で探すと思いますが、価格がかなり高くなっています。Tribox と Smartship の両ショップでは、公式ショップでの価格とあまりかわらず、安心して購入できます。

次におすすめのキューブについてですが、予算に余裕があれば GAN 356 XS をおすすめします。このキューブが、現在 3x3x3 の中で一番評価が高いものです。

私がこのキューブをすすめる理由は 2 つあります。まずは、何よりも軽いという点です。これは、キューブ自体の重さもそうですし、キューブの回転の軽さというのもあります。キューブの回転の軽さというのは、私にとっては非常に重要なポイントです。前回の年末年始に帰省した際、安いキューブを持って帰り手順を覚えるために暇なときはずっと回していたのですが、どうやら回すときに力が思ったよりいれていたようで、休み明けに指が腱鞘炎のようになりました。そのため、回転の軽いキューブがいいのではと考えるようになりました。キューブは調整により、回転の軽さを重くしたりできるのですが重いものを軽くするのは難しいので最初から軽いのを買うのをおすすめします。なお、GANCUBE というメーカーのだしているキューブは比較的どれも回転が軽いと感じています。

次に調整がわかりやすいという点です。スピードキューブは、回しやすいセッティングを探して調整する必要があります。スピードキューブは、メガハウスで売られているようなキューブと違い、回しやすく作られています。スピードキューブは仕組みとしてコアと呼ばれるパーツに各色の中央のキューブがバネをいれてネジ留めされています。バネの強さは回転の軽さに影響してきます。コアとキューブの距離は、キューブ同士のくっつく力に影響してきます。

このバネの強さとコアとの距離が調整可能なポイントなのですが、大半のキューブはこの調整をドライバーを使ってネジの回転数や出具合をみながら感覚で 6 面調整することとなります。しかし GAN 356 XS は、バネの強さは 6 段階、コアとの距離は 4 段階で設定できるため、調整が非常に簡単でわかりやすくなっています。

また、大半のスピードキューブには立方体の頂点となるキューブに磁石が入っており、キューブを解く際のサポートをしてくれます。GAN 356 XS では、この磁力も 3 段階から選択可能となります。

このように設定を段階的に変更できるため、バネが強いのがいいのか弱いのがいいのか、キューブ同士のくっつきがゆるいのがいいのかキツいのがいいのか、磁力が強いのがいいのか弱いのがいいのかを探りやすくなります。

実は、同じ GANCUBE からでているGAN 356 X も同様に調整が可能なのですが、価格差が 1000 円程度なので、それならフラグシップモデルを買った方がよいと考えています。

一方、初めてだしそんなにお金をかけたくないという人は、1000 円台で評価のよいキューブを買ってみるのをおすすめします。この 1000 円台で評価のよいキューブというのが、QiYi Thunderclap だったり、DaYan GuHong になります。もし、これらを買って回しづらいと感じたら、Thunderclap のレビューにあるようにネジを緩めて試すことをおすすめします。私は、最初に買ったキューブはこれらではなく、YuXin Kirin でした。このキューブもネジを緩めるとだいぶ印象が変わり、ここから調整の奥深さにはまりました。

どうやって解くのか

解き方については、Tribox のルービックキューブの解き方 を参考にするとよいでしょう。 なおキューブを Tribox で買う場合はtribox 3×3×3キューブ 6面完成攻略書 第6版 を併せて注文してください。ネット版と解き方の回し方が違いますが紙でみながら解いたほうが一覧性がありわかりやすいと思います。 また、yhara さんの スピードキューブ関連メモにいろいろまとまっているので参考になると思います。

最後に

  わたしも最初始めるときは、そこまでやらないだろうと思っていたのに、あれよあれよと沼にはまった感じがあります。これを読んで興味を持った方が、一人でも初めてくれたらうれしいです。

永和システムマネジメントを辞めました

題意通りですが、永和システムマネジメント(以下 ESM)を 2020/01 の末日をもって辞めました。 新卒入社からずっとで 13 年と 10 ヶ月の勤続となります。

私が就活をしていた 2005 年は、ちまたで LAMP が流行りだした頃でしたが、当時は Ruby で仕事できる職場などはありませんでした。 そこで、当時は Linux に関われる会社を探していたときに、地元の企業で Linuxディバイスドライバ開発の仕事がある会社を発見しました。 それが、ESM との出会いでした。なので、実はアジャイルソフトウェア開発とか XP という文脈はまったく触れずに入社を決めていました。 そういうのに強い会社というのは、内定もらった後の WEB+DB かソフトウェアデザインの記事で知りました。

私のお仕事としてのキャリアは Linuxディバイスドライバ開発プロジェクトからスタートします。 丁度入社したぐらいの年から、会社の別の部署が Ruby を仕事で使うための活動をしていることを知ります。 そのうち、Ruby のコミュニティや LL のイベントに顔をだすようになったりすることもあり、 その部署のメンバーと関わりも増え、入社から数年経つとそちらの部署への転属が決まり 2009 年ごろから Ruby でお仕事をするキャリアが始まりました。

ここ最近の仕事でやっていることについては、昨年の RailsDM で話したように新しく入ったメンバーの様子をみることだったり、採用活動だったり、自社で運用を行っているプロジェクトのカスタマーサポートのようなことをやったりということを主に行っていました。

そうした活動をする中で、ありきたりですが自分のできることをやっているが、それが本当にやりたいことなのかという疑問を持つようになりました。 人の育成やプロジェクトやメンバーのマネジメントのような経験は、あまり経験できることではないので自分からその役をやることにしました。 ですが、このまま私がやり続けることで他にいい影響がでるのかという悩みだったり、運用を行っているプロジェクトでがっつり設計やコードを書いたり、障害サポートをするようなことにわくわくしている自分がいるということに気づき、次のステップを考えるようになり退職となりました。

さて、ESM での活動をふりかえるとコミュニティに支えられてきたといっても過言でないと思います。 Asakusa.rb での活動や、Rails 勉強会での活動などの活動によって、出会ったひとたちとの繋がりから一緒に仕事をさせていただくことになった方も多数おります。また、一緒にお仕事をさせていただいた方と、プロジェクトが終わった後にコミュニティで出会うということもありました。 そのような場で出会ったひとたちから色々学ばせていただいたり、助けていただいたりしていただいただきました。本当にありがとうございました。 また、会社の人ともコミュニティで繋がっているということもあるため、辞めはするがすぐ会えるしなぁという感傷的になることもあまりないというのもあります。

今後については、今月はゆっくり過ごす予定です。会社というラベルに守ってもらっていた状態から、ラベルが剥がれた状態でやっていけるか不安ではありますが、なんとかやっていけたらとおもっています。 もし、話し相手になってやるというかたがいましたら、ランチ等にお声がけいただけると幸いです。

最後になりますが、謎のリンクを貼って終わりとします。 今後ともよろしくお願いします。

https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/3QQN1OI1FD7LY?ref_=wl_share

(この記事は HHKB Professional HYBRID Type-S で書かれました)

WEB+DB PRESS Vol.112) に、 「自作キーボードのススメ」という記事を書きました。

8/24 に発売になる WEB+DB PRESS Vol.112 に、 「自作キーボードのススメ」という記事を書きました。

WEB+DB PRESS Vol.112

WEB+DB PRESS Vol.112

  • 作者: 樋口剛,篠田典良,谷口慶一郎,大沼由弥,豊島正規,三村益隆,笹田耕一,牧大輔,大原壯太,門松宏明,鈴木恭介,新倉涼太,末永恭正,久保田祐史,池田拓司,竹馬光太郎,はまちや2,竹原,粕谷大輔,泉征冶
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2019/08/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る

今回の執筆にあたり @Biacco42 さん、@recompile_keys さん、@hibariya さんにレビューをしていただきました。 自分では、紙面の都合ではしょってしまった内容や伝えたいことの詰め込みすぎなどで、読みとれないことや、不正確になってしまっている箇所などを沢山指摘していただきました。 お時間の無い中、レビューしていただき本当にありがとうございました。

さて、記事の内容は、「自作キーボード」という単語は知っているけど、どういう世界かをまでは知らない人向けに、 自作キーボードの魅力、自作キーボードブーム事情、構成するパーツの説明と初めてにおすすめキット、キットの組み立てログになります。

記事にはパンダがはんだづけをしているイラストがあります。これは、イラストに何を使うかという案だしの際、 昨今 HolyPanda と呼ばれるスイッチがあることを編集の方に伝えたところ、 「パンダがはんだづけ」というだじゃれを思いついたという裏話があります。

キットの組み立てには、小さいながらも自作キーボードの組み立てに必要なことを経験できる Meishi を使ったのですが、 執筆してから雑誌が販売されるまでの間に meishi2 に販売が切り替わりました。 レビューの際、事前に @Biacco42 さんから meishi2 に切り替わることを教えていただいたので、記事でも軽く触れております。 事前に、meishi2 の設計 Youtube のキャストを見ていたり、リポジトリを知っていたので、 組み立てについては、Meishi と変わらないことは確認をしていましたが、キットの内容が若干変わっているので、このブログで言及したいと思います。

meishi2 のキットには、ゴム足とコンスルーが付属するようになっています。ゴム足は、meishi2 を机に置くときに、下側の部品が机にあたらないように、そして安定して置けるようにするための部品ですので、裏側に貼りましょう。 そして、コンスルーは記事中では触れませんでしたが、大事な部品です。。これはピンがバネのようになっており、Pro Micro という部品を基板にはんだ付けをせずに装着できます。 eishi はコンスルー対応と明記されていなかったため、記事中ではコンスルーを使用せず Pro Micro に付属のピンヘッダを利用していますが、meishi2 を組み立てる際は是非コンスルーをお使いください。 コンスルーは、遊舎工房で販売されているキットで対応しているものには付属しているのですが、コンスルーの存在に気づかず、そのままピンヘッダで実装する方も多い印象です。

この記事で自作キーボードが気になった方は、自作キーボードに是非手を出してみてください。 また、先日のコミケでも自作キーボードの聖典といわれているBUILD YOUR OWN KEYBOARDs compiled+ や、自作キーボードコミュニティを盛り上げている人に焦点をあてたインタビュー記事などが読めるKbD C96 2019 August、様々なキースイッチについてのデータを集めた眺めるだけでも楽しい軸の本2という本がでています。 この記事で、もっと自作キーボードについて知りたいと感じた人は、是非読んでみてください。

2018 年、自キ以外で買ってよかったもの

2018 年に自作キーボード以外で買ってよかったものをまとめておく。

OXO コーヒードリッパー オートドリップ コーヒーメーカー

職場用に 12 月に買ったものだけど、これは今年一と思えるやつ。@saboyutaka さんが使っているのをみて、教えてもらった。今まで仕事場でコーヒーをいれようといろいろ試したんだけど、器具の後始末やお湯をどうやっていい音頭で細く注げるかというのが難点で困っていた。しかし、これはお湯をいれたら、そのまま机まで持って行く間に抽出が終わって、蓋がドリッパーの置き皿になるので、飲み終わるまで片付けを気にしなくてよく、ほんと便利。これと、HARIO の細い手動ミルが会社コーヒーの今年の Endgame。

HARIO (ハリオ) コーヒーミル・スマートG MSG-2-TB

HARIO (ハリオ) コーヒーミル・スマートG MSG-2-TB

Anker PowerCore 20100 Nintendo Switch Edition

ちょっと電源が使用できずに長時間 MBP を使うことが多い時期があり、USB Type-C で充電のできるバッテーリーがないかを探していたところ、セールになったタイミングで購入した。MBP15 でも給電しながら使うことができたように思えるので満足。

LG モニター ディスプレイ 27UK850-W

在宅の仕事環境を整えたときに、安い 4K モニタを購入したんだけど、会社行ったときに会社のほうがモニタの解像度が低く、ウィンドウのサイズを調整したりするのが面倒になったので、会社に買ってもらった。モニタに USB 機器をさせるので、Type-C 一本さすだけで電源、キーボード、トラックボール、ディスプレイが繋がるのはとても快適。

RubyKaigi に行ったらキーボードを組み立てるようになった話

この記事は自作キーボード #2 Advent Calendar 2018 の 21 日目の記事です。昨日の記事は383さんのキースイッチ擬人化合同本ができるまでです。

今日は、私が RubyKaigi 2018 から帰ってきた後に、何故かキーボードを組み立てだした、この半年をふりかえりたいと思います。本当は自作キーボードについて自分が得た知識とかも書く予定だったけど、ここまでの過程をまとめあげただけで、だいぶ長くなったので、それはまた別の機会に。

きっかけは RubyKaigi

RubyKaigi 前に NaCL 方面の間で自作キーボードをやりだしている動きを観測していました。そのころは、自分で組み立てるには、海外のよくわからないサイト(当時のイメージ)を複数駆使して注文しないといけないうえに自分で組み立てないといけない面倒なものという認識で近寄るつもりはなかったです。そのときは、会社のメンバーをとりまとめて ErgoDoxEZ を 8 台購入するということをやったりしていました。

そして、RubyKaigi 会期中、事件は起きます。何故か、RubyKaigi の会期中にキーボード会議 が行われるという情報を知ります。私は、その場には参加しなかったのですが、その流れで自作キーボードに目覚める Rubyist を何人かみかけ、自分もあてられるように興味を持ったのでした。 また、RubyKaigi での shugomaeda さんの自分の使うものは自分で作ろうという発表にあてられたのもあります。もちろん、shugomaeda さんもキーボードを自作しています。

そして、RubyKaigi から帰ってきてから、自作キーボードについて調べるとどうやら、日本国内でキーボードキットが購入できるようになっていることがわかってしまいます。 このとき、私は Ergo42 を見つけます。実は RubyKaigi で観測された自作キーボードに手をだしだした Rubyist たちは Helix を購入しているひとが多かったのですが、ちょうど私がみたとき Helix は予約注文で、Ergo42 は在庫ありとのことだったので、Ergo42 を購入することにしたのです。このときは、こんなことになるとは思いませんでした。

初めてのキーボード

さて、初めてのキーボード作りだったので、工具をそろえるところから始めました。道具をそろえるのは、この gist をみて、半田ごて、半田ごて台、リードベンダ、作業マットを購入しました。 そして、キーボードキットが届くまでの間に、TALP keyboard でキースイッチとキーキャップを購入します。実は、このとき初めて Ergo42 に数字列が無いことに気づきます。

また、到着までに Ergo42 の作者である Biacco42 さんが書かれた KbDC93 を読んで、自作キーボードに必要な知識を得たりしました。 キーボードキットが届いてから、少しずつ組み立てだしてまもなく、モゲマイクロという現象を知ります。 モゲマイクロの対策をすべく、会社近くの千石通商へ行き、ピンソケットを購入し、pro microのピンソケット化します。これにより、キットに付属していたスペーサーでは低く、pro micro のカバーが pro micro にあたってしまったので、スペーサーも購入しました。このピンソケット化は、結果として活用されます。私が購入した Ergo42 のバージョンでは、左右で pro micro を裏表逆に半田付けする必要があったのですが、どちらも同じ向きに半田付けしてしまっていたのでした。そのため、このピンソケット化のおかげで、すぐに別の pro micro にすることができました。(なお、その後でた次のバージョンでは、pro micro の裏表が左右で揃い、さらにコンスルーによる抜き差しが可能になってます。)

ついに、できあがって使い出してみると、戸惑う点がいくつかでてきます。まず、Ergo42 は 4 列キーボードのため数字がないのでレイヤー切り替えて使うということにとまどうといます。また、横が 7 行あるため、どこにホームポジションにするかということにも迷います。最初は、内側から 2 つめのキーに F, J を置いて外側 2 つをもモディファイアキーのようにしていたのですが、しばらくして、内側から 3 つめのキーを F, J とする配列にすることとなり、これに落ち着きました。 しかし、数字列が無いという点は、使い出して 1 週間ぐらいでやはりつらいのではという気持ちになり次のキーボードを探しだすのでした。

(できあがったキーボードの写真などは、最後のほうにまとめておきたいと思います。)

数字列をもとめて

続いて、数字列を求めて、Helix 5 行モデルの購入を決めます。Helix の実装はダイオードが Ergo42 とは違って、表面実装のチップダイオードを使うことになっていたのを知っていたので、組み立てる前にフラックスと逆作用ピンセットを用意しました。実際組み立て出すと、自分にはフラックスはあまり必要ないと感じました。逆作用ピンセットについては、しばらくは不慣れで使いづらさを感じたのですが、慣れるときっちり形をあわせるときに気にしないといけないポイントが減っているようでよかったです。

Helix のために買ったキースイッチの数が足りず、Ergo42 を作ったときのキースイッチを数個使うという事態が発生しましたが、無事完成しました。無事完成はしたものの、次の問題が発生します。数字列が欲しくて 5 行モデルを買ったのに、できあがる頃には Ergo42 でレイヤー切り替えによる数字入力に慣れてしまっていたのです。なので、Helix でも数字列があるのにそれを使わずレイヤー切り替えで入力するスタイルになります。

この頃は、毎週火曜の Asakusa.rb の会場を自社としたときに、始まるまでの時間にキーボードの半田付けを行っていたり、半田付けが終わったやつの動作確認をしていたところ、すっかりキーボードを毎回作っている人というイメージがついてしまってました。

MakerFairTokyoとコミケ

その後自作キーボード Discord を知り、順調に毎日 ROM るようになっていました。そこで、MakerFaireTokyo2018 で自作キーボードの出展がいくつかあるということを知り、初めて MakerFaire に行くことを決めます。この時、row-staggered な Mint60 がでるということなので、Mint60 をお目当てに行ったのですが、私が会場に移動している間に売り切れの報が流れてきます。なので初日は、Mint60 と一緒に発売されていた Blockey を購入して帰宅します。

しかし帰宅後、それまでロープロファイルのキーしか使えないので自分には合わないと考えていた、これまた MakerFaireTokyo2018 で初めて発売の Helix pico が気になり出します。あわないと決めつけて試さずにロープロファイルを使わないというのは、ダメなのでは無いかと悩み出し、気づいたら翌日 Helix pico を入手していました。

Helix pico は、すごく簡単な作りであっというまに組み上がりました。使ってみると、非常にコンパクトでサイズ感はとてもよかったのですが、やはり自分とロープロファイルのキースイッチがあわなかったようでした。

MakerFaireTokyo2018 からあまり時間がたたないコミケで、Fortitude60 がでるというのが知ります。このときは、親指にアサインできるキーが豊富な Fortitude60 が End Game になると思っていました。 コミケにどうやって行くかということを考えていると、ukstudio もコミケに Fortitude60 を購入しにいくということだったので、ukstudio に代理購入を頼んで、入手できました。

技術書典05

時は過ぎ、技術書典05Corne keyboard の作者である foostan さんによる自作キーボード本が出るという話を知ります。この本は、スプリット型キーボードの基板設計から発注、 qmk_firmware のいじり方が開設されている本です。ここまでに、ねこ作も読んではいるのですが、ねこ作とは違い、KiCAD を使った方法が書かれているので、俄然気になります。また、本と同時に Corne がキーソケットに対応した Corne Cherry も発売されると聞いて、初めての技術書典参加を決意します。

もともと Corne の存在は知っていたのですが、Kinesiss や ErgoDox で親指を活用するのに慣れた自分には親指のキー数が少なすぎるだろうという気持ちでいました。しかし、実はここまでの間に column-staggered を試そうと ErgoDash を買っており、やはり数字列があるとでかくて手が届きにくいという気持ちが増して、小さい Corne が欲しくなるのでした(その後、ErgoDash には数字列の無い ErgoDash mini が発売されます)。

技術書典05 当日、私が到着するまでに Corne Cherry は完売していたのですが、本は入手することができました。また、自作キーボード関連でいうと、当日は Romly さんの軸の本、後日に riconken さんの本を入手し、大変満足でした。

天下一キーボードわいわい会 Vol.1

その後、Mint60 作者の eucalyn さんが主催する天下一キーボードわいわい会、通称天キーにも参加できました。この会は、大変刺激的で、例えばめちゃめちゃ重いキースイッチで作られたキーボードがあれば、キースイッチの軽さを追求したキーボード、既製品の Kinesiss にトラックポイントを埋め込んだものなど、自作キーボードにもいろんな世界があるのだなぁと思いました。 そして天キーでついに Corne Cherry を手に入れます。また、modulo と呼ばれるキーボードの構想を聞き、めちゃくちゃ感動して購入させていただきました。

Corne Cherry を今年の End Game とする

天キーの後に Corne Cherry を組み立てて使いだします。元々、親指のキーの数に不安があり、自分が今まで使っていたキーマップをそのまま使うことを諦めていたので、まずデフォルトのキーマップに体を慣れさせることにしました。キーボードを最適化するより、自分を最適化したほうが悩むポイントが減るという考えです。 しばらく使い出し、キーの少なさへの戸惑いがなくなってくると、この小ささへの愛着がわきます。そこで、個人的には Corne Cherry を今年のキーボードの形状の End Game とし、幕を閉じたいと思い、もう一台購入したのでした。

最後に

今年 6 月からの出来事を思い出しながら書きましたが、いろんな出会いがあったなぁと思います。ここには書き切れていませんが、昔 Ruby 界隈で会った人が自キ界隈にいて個人的にはインターネット上だけど再開した気分になったり、Rubyist として交流のあった人からキーボードキットを購入したりなどもありました。ここまで、自分が自作キーボードに手を出すことができたのも、先人達が情報を集め、もっともりあがるように国内流通をできるようにされてきた努力があってのことだと思いますし、とても感謝しております。また、自作キーボード界隈では、BOOTH がよく使われており、作者に気軽にブーストして支払って応援できるプラットフォームのありがたさをとても感じています。

今年はキーボードの形状をいろいろ試したので、来年はキースイッチを楽しめるようになりたいなぁという気持ちがあります。 最後に、今年手に入れたキーボードたちを紹介して終わりたいと思います。

Ergo42

キースイッチは Gateron 赤軸、今つけているキーキャップは自キ Discord で譲って頂いたOLKB Acute。

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Ergo42

Helix 5 行モデル

キースイッチはKailh box 赤軸なんだけど、購入した数が足りず一部 Gateron 赤軸。キーキャップは TALP で購入したDSA PBT Keycap Set (ALL 1U/Dolch)

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Helix

Helix pico

Kailh のロープロ赤軸。

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Helix pico

ErgoDash

キースイッチは Kailh pro Purple。キーキャップは TALP の DSA PBT Keycap Set (ALL 1U/White/Blue)。このとき、ドゥルドゥルなタクタイルに憧れがあるんだけど、いつも軽めの軸使っているから、不安で中途半端な重さのタクタイルにしたのであった。

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ErgoDash

Corne Cherry たち

黒のキースイッチは Cherry の銀軸。キーキャップは TALP で購入した黒の DSA と親指のキーはこの後紹介する白用のキースイッチを購入したときについていたおまけのキーキャップ。

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CorneCherry黒

白のキースイッチは Gateron Silent Red 。キーキャップは BigBang。

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CorneCherry白

Planck Through Hole Kit

キースイッチは Gateron Silent Red。キーキャップは、最初 Ergo42 につけていた DSA のキャップ達。

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Planck Through Hole Kit

動かなかったキーボードたち

Blocky は、意気揚々と実装したのですが、 pro micro の下にダイオードの実装忘れを発見してしまい、意気消沈。namecard2x4 は、何が悪いのかわからないんだけど、ファームの書き込み時のリセットが走っているにもかかわらずファームが書き込まれない…

積まれているキーボードたち

Fortituned60。自分の中でこれが End Game だと組む前から意気込んでいたら、これにあわせるキースイッチに悩みまくり、組めていない。 module 。何か開発のお手伝いができればと思っていたのだけど、部品はそろえたもののの組む時間を捻出できず、もうすぐ冬コミ。ごめんなさい…

(この記事は、MacBook、CorneCherry(黒)、CorneCherry(白)で書かれました)